大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)202 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人朽名幸雄の上告理由第一点について。

論旨は原審が適法にした事実認定を非難するに帰し採用することができない。

同第二、第三及び第四点について。

所論はいずれも上告人の原審における「控訴人は、振出人たる組合に対抗し得る

前記事由を以て所持人たる被控訴会社に対抗し得る」という主張に関するものであ

り、右主張は悪意の抗弁の趣旨であると解される。しかし悪意の抗弁といわれるも

のは、振出人の裏書人に対抗しうる事由を以て振出人から悪意の所持人に対抗しう

る場合を指すのであつて、本件の如く裏書人の振出人に対抗しうる事由を以て裏書

人から所持人に対抗しうる場合を指すのではない。裏書人が所持人に対抗しうるた

めには、直接の対抗事由を要するのであつて、本件において上告人の主張を意味の

あるものとするためには、被上告人会社の代理人Dと上告人間に、上告人には迷惑

を掛けない旨の約定が成立したことを要する。そしてこの約定はあたかも上告人の

第一の抗弁に該当し、原審が証明なきに帰するとしたものである。本抗弁は主張自

体において理由のないものであるとした原判示は正しく、所論は独自の見解であつ

て採るを得ない。

なお論旨第四点引用の判例は本件に適切でない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

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裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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